MSX互換機の世界(その1)
思わず「MSX互換機ってMSXそのものじゃないんかい!」と突っ込みたくなるようなタイトルだが、MSX規格はそもそもは「基本的なハードウェアコンポーネントとBIOSのみ策定しておけばソフトひとつで各社独自に発売していたホームコンピュータ上で動くようになるじゃん」という、ソフトウェア視点の規格だったのである。
VDP以外のI/Oポートを直接操作することは禁止されていたり、VDPのI/Oポートアドレスを決め打ち禁止されていたりしたのも、「I/Oポートとかがリファレンスデザインから外れててもBIOSで吸収できる」という目的のため。
ところが実際には、ほとんどの参入メーカーがほぼリファレンスデザイン通りのハードウェアを設計した上で、独自ハードウェアやソフトウェアを内蔵したり、専用のオプションを用意したりすることで競争していた。
そのため、多少規格に違反したソフトでもほとんどが動いてしまい、結局はそれが以後の上位規格でハードウェアの多様性を狭める原因にもなっていたのではないかと思っている。
というわけで、ここではリファレンスデザインから外れてたりするようなマシンを「MSX互換機」と呼ぶことにする。
なにしろリファレンスから外れていてある意味面白いので、これから数回に分けて紹介していくことにする。
FITOM BETA002リリース
RE:birth正式版対応。
ダウンロードはこちらから。
Download - FITOM Project
YMF281の内蔵音色
Webを探しても見当たらない情報を書き留めておくシリーズ。
(2014/8/22訂正。Webに見当たったけど書き留めておくことにした)
YMF281B-D*1はYM2413Bの内蔵音色違い品である。
内蔵音色が違う以外は電気的にも物理的にも論理的にもYM2413と完全に互換性がある。
じゃあその内蔵音色がどれくらい違うのか、というのが以下。
*1:型番からすると、YM2413B-FみたいにYMF281B-FというSOP24パッケージ品もありそうなんだけど99年時点のデータシートには載ってない。半導体事業部のカタログページにはSOP24も書いてあったけど…