Lost Technology

レトロPC、レトロゲーム、チップチューン等の主に技術的な雑記

MSXにノートPC用スリムFDDを接続する(2016/07/09改訂)

MSXFDDとしてPC用の2HDドライブを転用する試みは以前からあったが、MSXではREADY信号を必要とする機種が多く、標準ではREADY信号が出ていないPC用FDDを接続するにはFDDを改造するとかREADY信号を生成する回路を付加するとかの手当が必要だった。
ところが、ノートPC用スリムFDDではREADY信号を出している品種が多いので、ケーブルを変換するだけでそのまま接続できる。


シール基板を組み合わせて作成した試作品。シール基板そのものがFFC代わりになっている。配線は簡単だがシール基板が結構高い。
これで手持ちのHB-F900、HBD-20Wを2ドライブ化した。
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シール基板は曲げに弱く取り回しがしにくくて限界以上に曲げると断線するため、ちゃんとFFC使うことにした第2世代試作品がこちら。
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これでパーツの調達等にも目処が立ったので、基板を起こしたのがこちら。


一般的な34pinコネクタをもつFDD搭載MSXおよび外付けFDDユニットはこの基板(だけ)でスリムFDDを接続することができる。
また、ほとんどの機種で2ドライブ化が可能と思われる。*1
確認した限りでは、SONY本体全機種*2FDDユニットHBD-20W(とそのOEMのFS-FD1等)では2ドライブ化できたが、FDDユニットHBD-F1ではインターフェースから2ドライブ用の信号が出ていなかったため、そのままでは1ドライブのみの対応となる。

ただし、パナソニックA1シリーズのFDD搭載機種*3は全機種が非対応となる。

この基板に適合するスリムFDD(READY信号が出ている物)は以下の通り。

他にも適合するFDDがある可能性がある。適宜アップデートしたい。

ただし、SONYのHB-F900以前の機種(HBD-20W/FS-FD1を含む)では、TEAC FD-05およびFD3238Tが動作しない。おそらくディスクドライバBIOSの不具合ではないかと思われる。
同じディスクドライバを使用している機種があれば、同様に動かない可能性がある。

なお、今回作成した基板は委託店舗を通じて頒布予定。*6
また、好評だったらパナソニックA1シリーズ対応版も作成するかも。*7
好評だったので、また要望が多かったので、A1シリーズ対応版作りました。

*1:この変換基板はATARI STにも使えるような気がするが、あっちはREADY不要なので普通にPC用ドライブ使えてるんじゃないかと思う。よく知らないけど。

*2:HB-F500以降のFDD搭載機種全て。

*3:FS-A1F/FM, FS-A1WX/FX/WSX, FS-A1ST/GT

*4:枝番は2モード/3モードで数種類あるがいずれもMSXでの使用には支障がない

*5:YE-DATA YD702JのOEM。720が2モード、820が3モード

*6:Tweetにあるように、直接DMくれたら対応します。委託だとこの金額よりは高くなりますんで…

*7:A1シリーズで2ドライブ化するには本体の改造が必要になる見込み。