9821バリュースター(流星型)の音源ボードにYMF288が載る件(その2)
以前、9821バリュースター(流星型)の音源ボードにYMF288が載る件で書いた件の続き。
縁あって、先日のレトロデジゲー博において、YMF288を搭載したG8XZUを動態展示*1させて頂く機会に恵まれ、会場でもそこそこ好評だったようなので、これから「俺もやってみたい!」などと言い出すあたまのおかしい勇者が増えることを見越して前回よりも詳細な説明を書いておくことにする。
用意するもの
9821本体
PC-9821ValueStar166/200/233のいずれか
デスクトップ型でもタワー型でも流星でも青札でもかまわないが、青札の場合は音源ボードだけ別調達する必要有り。
音源ボードスロットの似ているXaや、ValueStarと同マザーを使用しているXcでは、ITF*2 が違うため不可。
音源ボード
G8XZU (流星型バリュースター内蔵音源)
青札型内蔵の音源ボードはYMF288用のランドパターンが無いのでそのままでは載らない。
PnPブリッジから信号を引っ張ってくれば載るかも知れないけどさすがにそこまでやらんでも。
パーツ類
YMF288-M (SOP28P)
QFPパッケージのYMF288-Sは載らないので注意。最近は秋葉原あたりでジャンク品が出回っている。
チップ抵抗
100Ω×3、10kΩ×1、39kΩ×3*5
チップコンデンサ
0.1uF×2、1uF×2
チップ電解コンデンサ
47uF16V×1
ソフトウェア
工具類
ハンダゴテ、ハンダ、ピンセット
チップ部品を付けるので、細いのを使いましょう。だいたいみんな持ってるよね。
工作編
部品面実体図
YMF288とDACは見ての通り。その他は以下を参考に。
設定編
改造した内蔵音源ボードと、86音源等を同時に使用する場合、SICで次のように設定すると、内蔵音源I/Oポートが移動する。
SIC /WSSc /BASE:1f40 /MOVE:b460 /FMMove:488
この例では、YMF701内蔵のWSSを1F40H、SoundIDポートをB460H、YMF288を488Hに移動している。*9
おやくそく
例によって、ここに書かれている情報は全くの無保証である。
この情報を元にして工作を実施した結果について筆者は一切の責任を負わない。自己責任で実施されたし。
*1:https://twitter.com/DigiGameExpo/status/478034553378861057
*2:Initial Test Firmwareの略。いわゆるブートROM。
*3:というかここの実装例ではuPD6379Aが載っている。
*4:参考:覚書: 2010.11
*5:元にしたCanBe音源では36kΩだけど手元になかったので。
*6:通常のCバスPnPとは手順が異なる内蔵音源専用PnP。
*7:SICのドキュメント参照。
*8:石坂浩二は「ろうがんず」という模型サークルを主催し、ポケットマネーで賞金コンペを開くほどのモデラーとして有名。
*9:無論、488HにあるYMF288を制御できる音源ドライバが別途必要なのは言うまでもない。
*10:あてずっぽうとも言う。